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自粛生活の中で、子どもの気になる様子(サイン)が見られた場合などについて、臨床心理士の高木紀子先生に伺いました。

Q&A

「母と子の心のケアについてのQ&A」

その1 自粛生活の中で、子どもの気になる様子(サイン)が見られた場合

Q1.おねしょの回数が増えたり、頻尿になったりした場合、どのように子どもに声かけをしたらよいでしょうか?

A.

 原因はおそらく「不安」なのでしょうが、子ども自身はその自覚がないことが多いです。おねしょやおもらしの失敗のことは責めないようにしましょう。そして、膝にのせる、手遊びをする、お風呂に一緒に入るなど、さりげなくスキンシップを多く取ってみてください。

 おうちの人がゆったりした気持ちでいることも大事ですので、心配しすぎない、大らかな心持ちで過ごしてくださいね。


 小学生などで内省力が高くて話すことのできる子であれば、ぽつりぽつりと心の内を話してくるかもしれません。そんな時には否定せず口を挟まずに、「うんうん」と聴きましょう。何か言わねばと助言にまわるよりも、「ああ、そんな気持ちにもなるよね」と共感することのほうが有効な場合がほとんどです。

Q2.食欲が落ちた子どもには、無理に食べさせなくてもよいですか。それとも栄養面はあまり考えず、今は好きなものを食べさせるべきでしょうか?

A.

 現代の子どもは栄養面での欠乏はまず心配しなくて大丈夫ですので、無理に食べさせなくてよいでしょう。食べさせることには無理強いはしなくてよいのですが、「あれぇ? 食べたくないって心配ね」と声をかけてあげることは、ぜひしてください。心配してもらえるだけの価値ある自分を確認できると、それだけで「ちっちゃな元気」がもらえて回復する子もいます。心の栄養という意味で、好きなものを食べさせるのもよいですね。

Q3.寝つきが悪く途中で目が覚める、いつもより甘える、一人でいるのを怖がる子どもへの声かけは、どのようにしたらよいでしょうか?

A.

 たっぷり甘えさせてあげましょう。子どもの側から「もういいよ」と断ってくるまで甘えさせてあげれば大丈夫です。どうしても応じてあげられない状況だったとしたら、「一人でよく頑張ったねー」と認める声かけを忘れずにしてください。

 仮にさほど頑張ったように見えなくても、このように認めてあげることが大切です。子どもは(実は大人もですが)、認めてもらうことで心のエネルギーがチャージされます。

Q4.いつもより落ち着きがなく、イライラしやすい子どもとのコミュニケーションの取り方やストレスを発散させる方法を教えてください。

A.

 「何で〇〇なのっ! いい加減にしなさい」と声を荒げたりするのは逆効果です。

 「あれ、今日はプンプン虫が〇〇ちゃんの中に入っているみたいだねえ」などという声掛けをしてあげてください。別の言い方でもよいです。いつもよりイライラしているのをこちらはわかっているよと伝えてあげましょう。「虫じゃない!」などと反論してくるかもしれませんが、それでよいのです。
 

 そのようなやり取りを通して、自分を客観視する力や、自分のネガティブな気持ちを自分の中にうまく保ったりうまく伝えたりする能力が育まれていきます。でも、こうした力がしっかり身につくのはまだ先のことですので、高望みはしないようにしましょうね。

Q5.ずっと家にいて長時間、テレビや動画(スマホやパソコン)を見せていてもよいのでしょうか?

A.

 テレビやスマホならではの情報もあるのでしょうが、長時間はよくないですね。時間などで区切って休憩を入れるようにしましょう(高校生や大学生対象のWEB授業では、20分で別の作業などを入れたほうがよいと注意喚起している学校もあるほどです)。
 また、小さい頃には、実体験こそが子どもの五感を育てますので、テレビやスマホ以外の活動にも誘っていけるとよいですね。同じ「見る」ことであっても、どんどん流れていってしまうテレビやスマホと違って、絵本であれば自分のペースで見たり、親が子どもに説明したりできます。

Q6家に閉じこもる生活で、今後、子どもの発達に影響が出るのではないかと心配です。今のうちに何かできることはありますか?

A.

 家に閉じこもる生活で静かに暮らしていると、全体的に抑制的な日々となってしまうので、思いっきり笑ったり、夢中になって何かをしたりできる時間を確保したいところですね。例えば、1日1回は「あっちむいてほい」をするとか、「こちょこちょ」をして遊ぶとか、そんな時間を意識して持つようにしてはいかがでしょうか。

 また、運動不足になることも、自粛生活の弊害です。次のQ7を参考にしてください。

Q7自粛生活で子どもの運動不足に対する対策はありますか?

A.

 運動量が減ると食欲も減り、結果的に身体発育に影響が出るということは考えられます。親子の早朝ウォーキング、縄とび、ボール投げっこなどはお勧めです。縄とびやボール投げっこは、意外にも「エアーで」行うのも楽しいものです。見えない縄を持ってぴょんぴょん飛んだり、見えないボールを投げてキャッチし合ったりするのは、家の中でもできるので自粛生活にはよいかもしれません。

 また、親子が一対になって行うストレッチであれば、スキンシップも取ることができるので、一石二鳥ですね。

Q8ずっと家にいる期間が続いたためか、「このまま園には行きたくない」と言うことがあります。今後、再開されたにもかかわらず、登園をしぶるような場合、どのような声かけをするとよいでしょうか?

A.

 大人の間でも「アフターコロナ鬱」なんて言われるくらいですから、子どもだって、こういう気持ちを抱く子はいるでしょう。
 例えば、お風呂に入るのはめんどくさい、いやだと言っていた子が、いざお風呂に入ってみたら楽しく遊んでしまってなかなか上がりたがらないということはあるものです。
 「お昼でお迎えに行ってもいいから、まず行ってみよう」と誘って、ちょっとでも園に行ってみるように促しましょう。もしも、「そこまでゴネるなら今日はもういいわ」などと子どものゴネに負けて譲歩してしまうと、「ゴネてお休みを勝ち取る」ことが子どもに達成感をもたらすようになってしまいます。途中で譲歩しないようにしましょう。
 そして、「お昼でお迎えに行ってもいいから」と促したのであれば、登園時に担任の先生に事情を話しておいて、お昼に親から園に電話をし、子どもに「お昼だけどどうする?」などと確認してもらうようにしましょう。子どもに「一度園に行くともう帰れない」とか、「嘘つかれた」などと思わせないことは、今後の親子関係にとても大切です。

高木紀子先生

公認心理師、臨床心理士、清泉女子大学・中央大学非常勤講師。
保育園、小中学校の巡回や、高校のスクールカウンセラーを務めるなど、親と子ども双方の声を聞き、様々な相談に答えている。2男1女の5人家族+猫2匹の生活。

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